アトピー性皮膚炎治療法のメリットとデメリット

皮膚科でアトピー性皮膚炎の治療を受けるとき、いろいろな治療法を選択することができますが、治療法によって、メリットとデメリットがあります。治療を受ける際には、それぞれの治療法の特徴をしっかり把握してから治療を開始したいものです。皮膚科で行われるアトピー性皮膚炎の治療法ごとのメリットとデメリットを確認しておきましょう。

ステロイド治療

ステロイド剤は副腎皮質ホルモン剤とも呼ばれます。外用薬と内服薬があり、外用薬でおさえ切れないほど、症状が悪化したときにのみ内服薬が用いられます。

ステロイド治療のメリット

ステロイド剤のメリットはその即効性です。炎症を抑える効果は最も高いとも言われています。

ステロイド治療のデメリット

一方、デメリットはその副作用です。ステロイド剤の副作用としてよく知られているのは、高血圧、糖尿病、満月様顔貌(顔が丸くなる)、骨粗鬆症(骨がもろくなる)、白内障、緑内障などがあります。また、免疫力が低下し、感染症を起こしやすくなるとも言われています。

このような副作用は、全身的な症状ですが、局所的にはステロイド剤を塗った皮膚周辺の皮膚萎縮(皮膚が薄くなる)、毛細血管拡張、色素沈着や体毛が濃くなるなどの副作用も認められています。

副作用が大きいとしてよく知られているステロイド剤ですが、ステロイド剤にも強いものとそうでないものがあります。

「ステロイド剤は怖い」と考えて、中途半端に使ってしまうと、かえって症状が悪化することもあります。ステロイド剤による治療を行うときには、医師の指示にしたがって使用するようにしましょう。

免疫抑制剤治療

免疫抑制剤は、ステロイド剤よりも副作用がでない新薬として開発されました。アトピー性皮膚炎の治療によく用いられるのは「プロトピック軟膏」と呼ばれる外用薬です。

免疫抑制剤のメリット

プロトピック剤のメリットは、毛細血管拡張、皮膚萎縮、色素沈着など、ステロイド剤にある副作用がないことです。

免疫抑制剤のデメリット

しかし、副作用がまったくないわけではなく、発がん性があるとの疑いももたれています。特に妊娠の疑いがある人は注意が必要で、胎児に影響がある場合があります。

プロトピック剤などの免疫抑制剤も、ステロイド剤と同じく、免疫を抑える働きのあるものですので、免疫力が低下して感染症に対する抵抗力が落ちる可能性があります。

食事療法

アトピー性皮膚炎を食事療法とは、日常の食事方法を改善することで、症状を和らげるものです。

食事療法のメリット

メリットとしては、薬のような特別なものを必要としないので、すぐにでも始められるということがあります。もちろん、副作用の心配もありません。

食事療法のデメリット

職療法の効果については、科学的に実証されていないものが多く、民間療法的なものもあります。
基本的には、検査でアレルゲンとなるとわかっているものや、経験的にアレルギー反応を起こす食品を避けることになります。
極端な方法で行うと、栄養不足になる恐れがあります。

ステロイド剤のような即効性はありませんので、効果を実感するまで相当の時間がかかるのが一般的です。

その他の治療法について

アトピー性皮膚炎の症状を和らげるために、生活習慣の上で注意したいこともあります。

睡眠不足にならない

アトピー性皮膚炎の患者さんの多くに、睡眠時間が短いことが共通点として報告されています。健康な肌を保つためには睡眠が必要です。アトピー性皮膚炎の症状を悪化させないためには良質の睡眠が必要です。しかし、アレルギー症状のかゆみのために眠れないという人は多く、熟睡するためにステロイド剤などが必要という人も少なくありません。

ストレスをためない

ストレスは、自律神経のバランスを崩し、免疫力の異常の原因になります。ストレスがまったくない生活というのは不可能かもしれませんが、ストレス発散法を身につけておくことも大切です。

喫煙、飲酒を避ける

アルコールの利尿作用により、体の水分が対外に排出されやすくなります。そのため、肌の乾燥を招きやすくなるのです。また、飲酒後の睡眠は、眠っている間のかきむしりを悪化させることにもなります。
タバコが健康によくないのは常識ですが、アトピー性皮膚炎にもよくありません。タバコの煙が体内に入ると、体の中で活性酸素が大量に作られ、免疫力を低下させることがわかっています。

まとめ―治療には時間が必要

いずれの方法にしても、アトピー性皮膚炎の症状を緩和させるものが多く、基本的な体質改善には、食事や生活習慣による方法しかありません。根本的な治療には時間がかかるものと理解しておきましょう。
また、家族の協力が必要にもなります。自分の体調を観察しながら、根気よく続けることが大切です。